「最適モデリング」セミナー案内 (11/25)

「最適モデリング」セミナー案内 (11/25)

日時: 2015年11月25日(水) 17:00–18:00
場所: 東京大学工学部 6号館 2階 63号講義室
http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_04_07_j.html

講演者: 高木 剛(九州大学IMI)
題目: 公開鍵暗号の安全性評価

概要:
暗号解読技術は数学をベースに年々進歩し続けており,
暗号は危殆化リスクを常に抱えている状況にある.
1980年代からは最先端の数学理論を用いた暗号解読
アルゴリズム(数体篩法,楕円曲線法など)が進展してきた.
1994年にはShorが量子計算機により素因数分解問題と
離散対数問題の量子多項式時間アルゴリズムを発表し,
現在普及している暗号(RSA暗号,楕円曲線暗号など)は
危殆化する状況にある.そのため,格子最短ベクトル
問題(SVP),多変数多項式求解問題(MQ問題),楕円曲線
同種写像問題(Isogeny問題)などの数学問題の困難性に
基づく暗号(Post-Quantum Cryptography)の研究が進ん
でいる.
本講演では,SVPの困難性に基づく公開鍵暗号に関する
研究動向を紹介する.SVPを効率的に解く計算法として,
格子基底縮約法(LLL,BKZ),列挙法(Extreme pruning),
篩法(Gauss sieve)などが知られている.これらのアル
ゴリズムの概要を述べた後に,ドイツ・ダルムシュタット
工科大学が主催するSVP Challengeの解読世界記録を
紹介する.SVP Challengeの解読データにより,攻撃者
の計算限界を評価することができ,格子理論ベースの
公開鍵暗号で用いる安全なパラメータを構成すること
が可能となる.